和文化を生活ルーティーンへ入れよう!おうち茶道の魅力を書いてみた
和文化を愛する夫婦の片割れ、Chichanです!
世の中には大きく、先生に指示して畳に座ってお稽古する茶道と、正座不要でテーブルを使うカジュアルな「テーブル茶道/テーブルスタイル茶道」があります。
でも、いずれも体験会に参加したり先生に師事しないと学べないことが多いため、人によっては
気になるけど習い事するのメンドクサイな~
SNSで見る茶道ってキラキラしてて自分には敷居が高い!
全く何も知らない私が行ったら叩かれそうだし怖い……
と思うかもしれません。
超理解できます。
実際に私もそうでしたよ!!
男性の場合は、こんな感じではないでしょうか。
茶道やってみたいけど男だし、女性だらけの空間は居心地が悪いしな……
現代だと、花嫁修業とか、女性のための女性の習い事という根強いビジュアル的イメージもあるので(超端折りました)、そうなる気持ちも無理ありません。
男性の皆さん!茶道はもともと男性(=サムライ)社会に根付いてきた男性のための文化でした!
ペコの戦国推し武将たちも嗜んでいましたよ!!
現代でも男性のお茶の先生、普通にいらっしゃいます。
だから安心して!!(笑)
このように
- 教室通いがおっくう
- 教室に行く時間が取れない
- 茶道怖い、高い、意識高すぎて近づけない(でも興味はある)
- 女性ばかりで気がひける
という方におすすめしたいのが「おうち茶道」です。
テーブル茶道よりも敷居が低くて、教室通いも不要なので、本当に始めてみたい方にも気軽にできますよ。
そこで今回は、おうち茶道について概要やメリットデメリット、やり方についてご紹介します。
最低限必要な道具もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
おうち茶道とは
おうち茶道とは、読んで字のごとく「お家」でできる茶道のことを指します。
コロナ禍で思うように茶道教室を開催できない一部の茶道の先生方によって生み出されており、まずは気軽に茶道を生活に取り入れようというコンセプトで提唱されているようです。
茶道ヒエラルキーの中では最も下に当たり、参入敷居が最も低く、道具さえ揃えてしまえばすぐできるという特徴があります。
家で気軽にできる、ということであれば、茶道教室に通うことが億劫な方でも自分だけの空間(=家)で楽しめるので、良いですね!
テーブル茶道との違い
Chichanの主観として感じるテーブル茶道との違いは、以下の通りです。
おうち茶道 | テーブル茶道 | |
難易度 | 低 (その気になれば自分でできる) | 低~中 (体験会に参加するハードルがある) |
ゴージャス度 | △ (好きなようにすればOK) | ○ (流派によって異なるが大体ゴージャス) |
場所 | ・家の中や職場など、どこでも ・立ち、座りどちらでも可 | ・テーブルとイス |
道具 | ・家にあるもの | ・本格的な茶道具がある程度必要 |
教室の有無 | △ (本を購入すれば教科書になるが、なくてもOK) | 〇 (教室に通って作法や教えを学ぶ) |
テーブルでの茶道については以下の記事で詳しく解説しています。
おうち茶道のメリット
Chichan主観の、おうち茶道のメリットを挙げてみます。
- 仕事の疲れをリフレッシュできる
- マインドフルネス瞑想の代わりになる
- 家にあるものですぐできる
- 教室に通わなくていい
- 茶道を気軽に、身近に感じられる
- 時間を問わない
- 海外とかかわりのある人はやるだけでとにかく喜ばれる(笑)
最大のメリットは、おうちに通わずとも道具とやり方さえ覚えてしまえばできてしまうところです。
究極、抹茶をお椀に入れて、点てて、飲むの3ステップで実現できてしまいます。
また、作法を学ぶことはないため、教室に通わなくても自分の好きな時間、好きなタイミング、好きなやり方で抹茶を楽しめるという点も。
おうち茶道のデメリット
気軽にできて教室に通わなくてOKというメリットは、反面デメリットにもなります。
おうち茶道について学ばせていただいたChichanが感じたデメリットを以下にあげますね。
- 茶道の正しいお点前や茶道の精神は学べない
- 時間を決めて取り組まないと忘れる
- 茶道の歴史や所作の意味、お菓子や掛け軸などの意味を学べない
- ある程度の道具は自分で揃えないといけない
- 茶道界隈で敵を作る可能性がある
家でできるとはいえ、ある程度の道具は自分で揃えないといけません。
また、自宅で気軽に和文化に触れるというコンセプトを持つ一方で、
- 茶道の持つ精神
- 茶道の考え方
- お点前の方法など基本的な作法
- 茶道の歴史
- お茶の効能
などのような、教室で学ぶことを知らないでもできてしまうため、大切な側面を学ばないままとなってしまいます。
その分、もっと深く知りたい!となったら教室に通ったり、茶道に関する本を読み漁ったりすればデメリットは解消できます。
場合によってはInstagramやTwitter投稿が引き金となり、「茶道警察」に摘発されてしまうかもしれません。
カジュアルがカジュアルを呼ぶおうち茶道は、テーブル茶道のように、茶道警察から予期せぬ批判をされることも考えないといけません。
メンタルお豆腐な方は、SNSにUPしないで自宅でひっそり楽しむとよいでしょう。
おうち茶道はどこでできる?
おうち茶道は、一般的にテーブル茶道と同じように以下の場所でできます。
- キッチン
- 寝室
- リビング
- 仕事部屋
- 職場
唯一違うとすれば、「自分が落ち着く場所」なら、キッチンの一角や寝室の一角でもOKという点でしょうか。
おうち茶道を始めよう!8ステップで解説
おうち茶道は道具さえあればすぐできると書きましたが、それでもある程度の茶道の精神を守ったステップを踏んでほしい、というのが椿の会認定講師であるChichanから読者のみなさまへお願いです。
ということで、以下におうち茶道のやり方を8ステップで紹介します。
1.必要な道具をそろえる
2.洗う
3.茶碗と茶筅を温める
4.抹茶を茶こしでこす
5.お湯を注ぐ
6.お茶を点てる
7.お茶をいただく
8.お片付け
詳しくご紹介しますね。
1.必要な道具をそろえる
まずは必要な道具をそろえるところから!
最低限でも、以下の道具を揃えましょう。
- 抹茶
- 抹茶を入れた茶器(密閉できる缶がおすすめ
- 茶こし
- 茶筅または小さな泡立て器
- お茶碗(スープボウルがおすすめ)
- 建水がわりのボウル
- 小さいスプーン
- ポットまたは保温機能のある水筒(75~80度のお湯を用意)
- お盆やトレー、ランチョンマットなど下に敷くもの
- きれいな布きん、またはキッチンペーパー
- 好きなお菓子何でも
本来の茶道の道具以外のものでお茶を点てる道具として使うことを「見立てる」といいます。
テーブル茶道でも取り入れられます!
Chichanも良くやりがちなのですが、熱湯を用意するとお茶碗を洗う(清める)時やお茶をいただくときにヤケドしちゃうので、注意してくださいね!
また、茶筅が手に入りづらい場合は、画像のように小さな泡立て器でも代用OKです。
2.洗う
おうち茶道を始める前は、手と道具を洗いましょう。
テーブル茶道でも畳の茶道でも、道具を清める所作があります!
おうち茶道では、手と道具を水できれいに洗うことで、清める所作に繋がります。
手と道具を洗ったら、お茶を点てたい場所に道具を持って移動しましょう。
この時に、お盆やトレーを使うと、移動に便利です!
3.茶碗と茶筅をあたためる
お茶を点てる前に、お茶をいただく茶碗と茶筅を温めましょう。
お茶碗に3分の1程度のお湯を注ぎます。
茶筅は温めることで竹のしなりが良くなり、良くお茶を点てられます。
泡立て器の方はお茶碗だけ温めましょうね!
お茶碗が温かく感じられたら、茶筅の水を切り、横に立ててて置きます。
お湯は、建水(使用済みのお水を注いでおく器)代わりのボウルに捨て、布きんまたはキッチンペーパーで水気を拭き取りましょう。
4.抹茶を茶こしでこす
茶碗の水気を取り除いたら、抹茶を茶こしでこします。
小さじ2杯分程度の抹茶を茶こしに入れたら、スプーンの背中でこします。
茶杓がある方は、茶杓山盛り2杯分くらいがちょうどいいです!
こした抹茶は、ダマがでないよう、漢字の二の字を書くようにならしてあげましょう。
5.お湯を注ぐ
ポット(またはサーモ水筒)に準備したお湯を、抹茶の入った茶碗にそそぎます。
目安としては、お茶を3口半程度で飲みきれる分量です。
おうち茶道なので、それ以上にいれても問題ないですが、抹茶は濃く、カフェインも多いのでご注意を。
6.お茶を点てる
いよいよ、茶道の醍醐味(笑)でもあるお茶を点てるパートです。
茶碗の底をなでるくらいの優しい力入れで、茶筅(または泡立て器)を使ってお茶を混ぜます。
左下からギザギザと右上に抜け、また戻る混ぜ方が理想です。
初心者は
・泡が立ってきたな
・抹茶の香りがしてきたな
と感じたら、お茶を点てることをストップするベストタイミングです。
シャカシャカという音に耳を傾け、お茶の香りを感じる、まさに五感を使った最高の時間ですので、ぜひじっくり味わっていただきたいです!
7.お茶をいただく
お茶を点てたら、茶筅を立てて置き、お茶をいただきましょう。
まずは「いただきます」と心の中で呟いたら、お菓子をいただきます。
抹茶はお菓子を食べた後にいただきます。
お茶をいただくときは抹茶の香りを感じながら背筋をピンと伸ばし、右手でお茶碗を持ったら両手でお椀を持ち、何回かに分けて抹茶を飲みます。
テーブル茶道や茶道の自服では、お茶碗の正面を避けるためにお茶碗を2回、回します。
おうち茶道だと、自分のためにこの作法を飛ばして楽しめる気軽さがります。
一気飲みするのではなく、抹茶をいただいた香りや余韻を楽しめると、いいですね。
8.お片付け
抹茶をいただき、心がホッとしたところで、ポットのお湯を茶碗に注ぎ、茶筅と茶碗を洗いましょう。
お湯を建水代わりのボウルに捨てたら、清潔な布きんやキッチンペーパーでお茶碗を拭きます。
キッチンに移動して、お茶碗と茶筅、スプーンを水でゆすいでもOKです。
茶筅を使う場合は竹製なので、洗剤の利用は控えましょう。
泡立て器の方は、そのままキッチンで洗っても問題ありません。
終わったら乾かし、お盆やトレーと共に元の位置に片づけましょう。
おうち茶道を1日のルーティーンに取り入れよう!
今回は、おうち茶道について概要ややり方をご紹介しました。
おうち茶道は諸々の所作を省きますが、一番気軽にかつ手軽に茶道を生活に取り入れられそうですね。
メリットやデメリットはもちろんありますが、おうち茶道のやり方を知っていると、テーブル茶道でも敷居が高いと感じていた方にとってはハードルがより下がったのではないでしょうか。
Chichanもテーブル茶道よりさらにカジュアルに日常でお茶を点てたいと思ったときは、おうち茶道方式を採用しています。
全部イチからやるのもよいですが、ずぼらなので(苦笑)もっとカジュアルに楽しみたいときもあるんです。
お茶をたててている時は瞑想の時間にもなるので、フリーランスの仕事をしていると欠如しやすくなるリラックス時間を持てます。
なので、仕事前や仕事の合間にすごく良いです。
この記事を参考に、畳茶道でもテーブル茶道でも、敷居が高く感じていた方が、自分だけのおうち茶道を生活に取り入れていただけると嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございました!
参考書籍:
茶道教授 水上麻由子著『おうち茶道のすすめ』
テーブルスタイル茶道椿の会 茶教初級テキスト
末筆となりますが、この度「おうち茶道」の魅力を広めることをお許しいただくこととなり、水上先生には感謝申し上げます。