幻のやきものをつくる「再湖東焼 一志郎窯」へお邪魔してきました【日本帰国レポート】
和文化を愛する夫婦の片割れ、Chichanです!
尺八練習中のHannesです!
SNSではチラホラ報告しておりましたが、ChichanとHannesは2022年10月27日から1か月ちょっと、日本へ帰国しておりました(^-^)
私たちの目的は、とにかくドイツでは触れられない和文化を思いきり満喫すること!!(笑)
そして、情報だけでなく、繋がりを構築してドイツに戻り、私たちの夢である茶道と尺八のコラボレーションをドイツでやること。
そんなChichanとHannes、今回の帰国で、歴女Chichanが聖地としてあがめる彦根市にある、「再湖東焼・一志郎窯」へお邪魔してきました。
なんと、一志郎先生をはじめ、お店の方とも楽しく(笑)お話し・交流させていただいたんです!
「再湖東焼・一志郎窯」の概要
「再湖東焼・一志郎窯」さまの概要をご紹介します。
名称:再興湖東焼 彦根「一志郎窯」
住所:滋賀県彦根市芹橋2丁目2-32
訪問日:2022年12月3日(土)
再湖東焼とは?
再湖東焼は、かつて幕末期に彦根に住んでいた商人・絹屋半兵衛が考案した焼き物のスタイルのひとつ。
一度はなくなってしまった技術を150年の時を経て復興・現代に伝えていることから「再」がついています。
湖東焼の歴史をザックリ解説
当時は佐和山(かつて島左近が入城していたお城があった山)の山ろくに窯を建築し、伊万里焼の職人を招いて磁器の焼成を成功。
以降は、彦根藩の御用窯として名品を生み出してきました。
御用窯っていうのは、ザックリいうと、江戸幕府への献上品を制作する窯のことです。似たような言葉に「御用牧場」がありますよね。
彦根藩で湖東焼をつくり、幕府に高級美術品として献上する狙いがあると同時に、彦根の地場産業を定着させる目的もあったみたいです。
歴史は江戸・幕末期20年ほどしかないにもかかわらず、以下の点に優れていました。
- 景徳鎮(けいとくちん)レベルの焼成技術
- 伊万里焼に負けず劣らない世界最高峰のレベル
- 細密ながらも豪華で高尚な手書きによる絵付け
しかし、江戸時代に勃発した「桜田門外の変」以降、状況が一変。暗殺されたのは、井伊直弼、つまり井伊家が入城する彦根藩!
しかも、井伊直弼って将軍の補佐官の中でも最高職である大老だったので、世の中が荒れる、荒れる。
当時100人近くいたとされる湖東焼の職人たちはおびえて逃げてしまい、4人が残るのみに。
4人では当然、地場産業として成立しませんよね。
残念ながら、湖東焼の継承者はいなくなってしまったそうです。
そこから150年の時を経て、湖東焼の復活に情熱を注いだのが、現在再湖東焼を制作している中川一志郎先生、というわけです。
実際にお話しさせていただく機会に恵まれましたが、一志郎先生の焼き物に対する情熱たるや、すごかったし、茶道を学び始めた身としてとても感動しました。
なぜChichanは「再湖東焼」にこだわっているのか
多分、数ある焼き物工房の中で、あえて知る人ぞ知る「再湖東焼」にChichanとHannesがお熱なのかというと、
再湖東焼との出会いは、石田三成聖地巡礼なんです(笑)
Chichanは根っからの歴女&某ゲームの影響で武将で茶の湯を心得る石田三成について、根掘り葉掘り調べるほどの、石田三成好き。
石田三成といえば、彦根にゆかりのある人物です。
そのため、彦根城城主になった井伊直政(いいなおまさ)に影をひそめる石田三成、そして彼の部下である島左近・三成の友人・大谷吉継にはお熱。
彼らを知るためには彦根市を訪れるのがおすすめなんです。
っと、話がそれましたが、「再湖東焼」の存在を知ったのはもう数十年前のことです。
Chichanが彦根・関ヶ原を巡礼していたある日、「みつにゃん」が手書きで描かれた、超絶カワイイマグカップを発見!!!
え、なになに???石田三成??猫??可愛すぎる、買う!!
とまぁ、歴女(オタク)あるあるの貴重なものを即買い(笑)お店の人から「再湖東焼」のパンフレットをいただいたことがきっかけでした。
みつにゃん?
「いしだみつにゃん」はご当地キャラクターのひとり(1匹?)で、武将・石田三成とネコをミックスさせたキャラクターです。
プロフィールがかわいいんですよ!!
いしだみつにゃんとは・・・
性格…普段はつんつんしているように見えるが、心根は優しくさびしがりや。
略称…「治部」、殿(との)
住所…佐和山城址(佐和山一夜城会場周辺らしい、あくまで噂ですが・・)
好物…お茶(日本一の茶名人)、びわこの鮎料理
苦手…柿、季節外れの桃、無粋な作法
趣味…「義」に生きる不器用な生き方。
特技…差配、検地、筆を持ったら並ぶものなし
弱点…すぐお腹をこわす、素直になれない性格
目標…数と利だけの世のなかではない事を証明する「大一大万大吉」
夢…もう一度佐和山での「島左近」ら家臣との花見茶会> 性別 :オス
引用:いしだみつにゃん | 日本ご当地キャラクター協会
> 出身地:近江の国・石田
> 誕生日:?月?日
まさに石田三成の性格(伝承)そのままですね。ツンツンしているけど優しい不器用な点とか。
みつにゃんのほかにも、ゆるキャラ元祖でおなじみの「ひこにゃん」、島左近をモデルにした「しまさこにゃん」や、大谷吉継がモデルの「おおたににゃんぶ」、マイナー武将の平塚為家(ためいえ)を模した「ひらつかためにゃん」もいます!
ちなみに、Chihannesの名字は「ひらつかためにゃん」と同じなんです(笑)
「再湖東焼製 みつにゃんカップ」をドイツに輸送
その後、ChichanはHannesと出会い、結婚。
引っ越し段ボールの中には、もちろん「再湖東焼製 みつにゃんカップ」。
色々あったんですが、引っ越しの荷物を半年くらい送れず、みつにゃんカップとも離れ離れでした。
荷物の輸送自体が手間かかったこともあって、段ボールからみつにゃんカップを見つけた時は思わず泣きましたね。
ずっと使って大切にしていたので、ドイツに壊れることなく届いて、感無量。
Hannesが「再湖東焼製 みつにゃんカップ」にほれ込む
荷物とみつにゃんカップが届いてからというもの、以前の時のように毎日使っていました。
そんなある日、みつにゃんカップを見たHannesがオーバーリアクション!
Chichan!!!!!なんて素敵なマグカップなんだ!!!
カワイイし、しかもその猫、手描きじゃないか!!!
マグカップ見ただけで、手描きだとわかるHannesについての補足情報
彼の妹(私から見て義姉)が芸術の道を歩んでいたことがあり、自身で焼きものを学んでいたという背景から、手描きかどうか判別がついた模様。
素敵だよね!
サムライの街・彦根にある「再湖東焼」っていう一度途絶えたけど蘇った焼き物のスタイルだよ!
そうなんだね!!!!!!!絶対欲しい!!
私もまた行きたい!
テーブルスタイル茶道の認定講師にもなったし、再湖東焼のお茶碗、買う!!
というわけで、今回の日本帰国では、彦根を回るツアーを組み込んだのです。
「再湖東焼・一志郎窯」へ行ってきた
恥ずかしながら、茶器を見ることと、みつにゃん・さこにゃん・にゃんぶの再湖東焼を買うことに必死だったので、ChichanもHannesもすっかり写真を忘れてしまいました😂(なので引用させていただいております)
ということを前提に、頑張って文章化します(笑)
彦根市の繁華街からちょっと離れた場所にあるよ!
場所はこんな感じです!
現在は工房のお隣にギャラリーを移設しており、再湖東焼の焼き物でいただけるコーヒーが味わえるカフェも併設しています。
実は一志朗窯にはギャラリーがあったそうなのですが、移転しており、現在の芹橋2丁目にある一志郎先生の工房との併設になったようです。
参照:http://www.kotouyaki.jp/?page_id=2
全く何も知らずにフツーに工房に突撃してしまいました😅
勇気を出して引き戸を引くと……
ちょっと入りづらい門構えではありますが、勇気を出して引き戸を引くと、そこには美しい焼き物がずらり!!!
店員さんが話しかけてくれたので、すかさずHannesの代わりに
みつにゃんなどをあしらったマグカップetcを購入させてください!
と店員さんに話すChichan(笑)
どうやら、店内展示はしていなかったようで、知っている人向けに出してくださるっぽいです。
素晴らしい絵付けの茶器に感動
Chichanの願望は、せっかくなら再湖東焼で抹茶を立てたい!
ということで、茶器もじー----くり見させていただきました。
茶器は一志郎先生の銘が入っているモノから選ばせていただいたのですが、このまた絵がすごいんですよ。
公式サイトからお借りしておりますが、繊細な筆のタッチで絵が返れている彦根城とその周辺のすごいこと!!!!
これは写真だけでなく、実際に自身の目で見てほしいです。
ChichanとHannes、一志郎先生を紹介される(笑)
ChichanとHennesが半ば店内別行動をとっていたところ、店員さんが
あ、一志郎先生!
このお2人、ドイツからいらしたそうですよ!
振り返ると、そこには再湖東焼を復興させた中川一志郎先生が!!!!!
再興湖東焼作家
中川一志郎さん再興湖東焼作家
引用:https://www.city.hikone.lg.jp/material/files/group/52/20201001.pdf
長年にわたり湖東焼の作風や技法について研究を重ね、染付や赤絵など、多彩な陶芸技法を駆使して制作を行う。その作品は滋賀県伝統工芸品に指定されている。
ままままままさかのご本人登場で動揺するChichanとHannesでした!(笑)
ご本人いわく、すでに50年以上も陶芸の道を歩まれているそうです。
再湖東焼についてや、ドイツにおける日本の焼き物事情、プロの道のりについてなど、沢山の話をお伺いできました!!!
一志郎先生はドイツでも人気のある「Raku Style(日本の信楽焼のこと)」に興味を持ってもらったよ!
海外でも日本の陶芸を広めたいといっていたから、妹が出身の芸術学校に相談してみようと思ったよ。
一志郎先生が信楽焼に長年携われていたからかもね。
ドイツでの講演やワークショップが実現したあかつきには、一志郎先生にお力添えできたら私たちも嬉しいね!
そんなことを話しながら、Chichanは再湖東焼の茶器を、Hannesはみつさこにゃんぶのカップを爆買いしてお店を後にしたのでした(笑)
「再湖東焼 一志郎窯」で購入した戦利品
ChichanとHannesが「再湖東焼 一志郎窯で」購入したものを一部ご紹介しますね!
みつにゃんのマグカップ!
再湖東焼の特徴である手描きによる絵付けということもあり、みつにゃんそのものも異なっていて、面白い!!
手描きでここまで繊細な絵が描けるなんてすばらしい。。。。
そしてこちらは、Chichanがテーブルスタイル茶道の体験会で使用予定のお茶碗!!!
一志郎先生の繊細な絵付けに惚れてしまいました。
実際にどんなお茶碗化は、テーブルスタイル茶道の体験会をドイツ現地やオンラインで実施する際に来てくれた方だけにお見せしたいと思いますので、ブログではおあずけさせていただきます(*^-^*)
最後に
今回は日本帰国時に訪問させていただいた「再湖東焼 一志郎窯」について、当時のことを振り返りながら体験レポート形式にご紹介しました。
一度途絶えたものの、150年の時を経て復活し、彦根の伝統工芸品として現在も生み出されている「再湖東焼」。
何もツテがないテーブルスタイル茶道認定講師とドイツ人尺八演奏者見習いでしたが、まさかの一志郎先生とお話しするチャンスをいただけるとは思いもしませんでした。
「再湖東焼 一志郎窯」では、ワークショップも実施されているので、ギャラリーを見るだけでなく実際に手を動かして体験も可能です。
ChichanとHannesは、いつか一志郎先生がドイツで陶芸に関するワークショップや講演が実現したらいいなーと思いつつ、このブログで「再湖東焼」に興味を持ってくれる方が日本国内、世界で出てきてくれたらうれしいな、と思っています。
実際に、「再湖東焼」を求めて海外からもお客様が訪れていました。
そして、まずはドイツでテーブルスタイル茶道の知見を活用させていただき、自分もワークショップを開き、「再湖東焼」の茶碗を使って、お茶碗の拝見の仕方と共に、魅力についてレクチャーできたらいいな。
最後までご覧頂きありがとうございました!
ChichanとHannesが訪問した「再湖東焼 一志郎窯」のおさらい
名称:再興湖東焼 彦根「一志郎窯」
住所:滋賀県彦根市芹橋2丁目2-32(芹川工房 滋賀県彦根市芹橋二丁目2-31)
●ギャラリー
営業時間 10:00~17:00 営業日 火曜~土曜
●茶房 みごと庵
営業時間 11:00~16:00 営業日 火・木・土曜
アクセス:琵琶湖線彦根駅より彦根駅前観光案内所隣のレンタサイクルを利用すると便利です。
駅からタクシーをご利用の場合は「湖東焼 いちしろうがま」とお伝えください。
TEL: 0749-24-6711
ホームページ:http://www.kotouyaki.jp/